日本人マネジメントの声

このパート【B) 海外で働いて価値観が試される瞬間】では、海外現地法人で何が起こっているかを紹介しています。

先日、わたしの視点で「海外現地法人で起こっている事」をリスト・アップして掲載しましたが、それとは別に、今日このページでは、これまでの十五年あまりの間に台湾で知り合った日本人マネジメントの「台湾赴任後の声」を、企業・個人への不利益がおよばない範囲で紹介します(以下)。

・「台湾での人間関係は、日本では無くなりつつあるが、いい意味での少しアナログな昭和の頃の人情味を思い起こさせる。かと言って、日本のムラ社会とも異なる。他方で、行政サービスや社会インフラ、会社組織でのIT化、効率化は日本よりも進んでいる。古いものと新しいものがハイブリッドで存在していて、退職後の生活を台湾で過ごす日本人も増えている」

・「台湾人の多くは、日本、日本人に好意的で、また、消費生活も似ているためか、日本人と価値観が近いように感じる。価値観が近いということと、文化の違いさ加減のバランスがほどよく、生活していても海外なのにストレスがあまりない。日本の方が気疲れする。台湾の方は、いろんなことで親身になってくれるが、一定の距離感を保っても、疎遠になることを心配しなくていいので、日本でのような人間関係の息苦しさが無い。友達として付き合いたいと感じる『いい人』が多い気がする。他方、会社組織では、どこの国でも同じことが言えるが、『いい人』が仕事ができるとは限らない。人情に流されずにドライに対処することも必要な場面がある」

・「なんでみんなすぐに辞めていくの?給料以外のやりがいは無いの?」

・「会議で決まったはずのことが、翌週の会議で覆されるということが、ほぼ毎週ある・・・先週の会議、みんな真剣に聞いてた?」

・「ひと言で言うと、おしなべて、仕事の詰めがあまい。周辺のリスクにはどうやら気付いていないようだし、楽観的なのか、やりたい事に対して前のめりになっている感がある。問題が起こった時にどんな対応を考えているのか、不安を感じる」

・「知的財産や機密保持の観念が弱い。情報漏洩防止、契約書の見直しやITセキュリティー強化が目下の課題」

・「市場の変化が大きいが、生産管理部のエースがやり手で、臨機応変に対応できている。顧客への納期期日、製品アイテムごとの生産所要日数、既存在庫、経済的な投入ロットの規模、在庫抑制、製造ラインのコンタミ防止や設備条件の切り替えロス時間を考慮した製品アイテムの投入の順番組みなどの要素を加味して、生産管理を行うが、担当者により全く基準が異なる。マニュアル化させるよう指示しても、核心的なノウハウは開示されず、仕事がひとについてしまい、業務の属人化から抜け出せない」

・「過去に発生した品質問題や労働災害、経理処理の疑義に対する税務上の指摘等について、発生原因の追求や再発防止の検討が中途半端であいまい。対策が十分には練られておらず、やっつけ仕事で済まされ、その場しのぎになっている」

・「A部長は、アイデアが優れ、実行力もあるが、どうも空気が読めないのか、私が考えていることを最後まで言わないと理解してくれない。日本本社との窓口になる、次の事業本部長のポジションには、私の考えを汲んでくれ、日本語能力も高いB部長を推薦したいと考えている」

・「経理処理や労務管理、顧客への工程変更や納入仕様変更の事前承認等の手続きが日本と違う。これが当地○○のやり方だと説明を受けたが、やはりコンプライアンス上は、適切ではないはず。コンプライアンスの観点から満たさなくてはならない要件が何なのかを知りたいが、各部門長がそれを認識しているのかが不安」

・「部門をまたがった人事異動のローテーションが無いこともあり、各部門長は、自部門の業務についての自負が強く、またそれにかこつけて、新しいことを学ぼうとしない」

・「評価制度はあるが、機能していないのが実態。部門長の気持ちひとつで、人事評価はなんとでもなる状態。社員は上司に嫌われないよう、違った考えや新しい提案があっても上司の言いなりになってしまっている」

・「リスク・マネジメントやBusiness Continuity Plan(BCP、事業継続計画)に至っては、日本本社からの指示に従って、資料フォームに記入対応しているが、その場しのぎの、やっつけ対応。受け身のやらされ感がある」

・「各部門の部門長は、自らの努力課題を煙(けむ)にまいて、発生事案の責任を他部門に背負わせ、自部門のパフォーマンスをいかによく見せるかに腐心している。部門間のかけ引きや、不毛なセクショナリズムが垣間見える」

・「部下の育成なんて、どの部門の部長もしていない。自分のポジション(椅子)を奪われることを懸念しているように映る」

・「顧客を訪問することになっているが、面談時に会う予定の相手側のメンバーが誰かなどの基本的な情報が不明だったり、訪問時間もあいまい(事前の段取りのわるさが目につく)」

 

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