️『うわさ再考』第三弾。『うわさ』とは、その内容が事実であるかどうかを問わず、世間で言い交わされている話のこと。
今日の『うわさ再考』は、日本のビジネスで重用されている「緻密にがんばれば報われる」、「備えあれば憂いなし」、「スピードよりも、精度の高さが重要」という言葉についてです。
これらは、【われわれ日本人が安心を覚える言葉】でもあり、ある意味で価値観として認められる時代もありましたが、今や『おまじない』と同列の扱いとするべきではと考えています。この言葉から逃れましょう、この言葉を振り払いましょう、ということを今日お伝えします。
「緻密にがんばれば報われる」
いいえ、そんなことは誰も保証してくれません。緻密さよりもスピードを重視してきた他のアジアのいくつかの国は、日本の所得レベルを越えています。
「備えあれば憂いなし」
いいえ、それ(備え)で憂いが消えるなんてありえません。そもそもどんなことを想定した備えだったのか?「環境は刻一刻と変わるものである」と認識しなおして、頭を切り替えて、フットワークを軽くすることからスタートする。まず走り、そこでの気付きをもとに変更を加えていく。ハナから憂いる必要なんてありません。
「スピードよりも、精度の高さが重要」
いいえ、やっぱりスピードの方が重要です。精度の高いことが、機会逸失の言い訳にはなりません。
海外では、ネガティブな可能性を予見しても、立ち止まることをしない人が非常に多いことに目を奪われます。「まずはやってみないと何事も始まらない」、「走りながら考えればいい」、「立ち止まって考えるよりも、まずは走り出す。もし何かあったら、その時に考えればいい。今立ち止まる必要はない。問題は起こっていないのだから。立ち止まることでチャンスを逸するかもしれない。問題が起こっても、立ち止まることは、できるだけせずに、動きながら考えればいい」。
われわれは、これを何と見るか。このような言動は、無邪気なように思えたり、詰めがあまいように感じてしまいがちです。
他方で、われわれ日本人が安心感を覚える上述の言葉は、果たしてこの三十年、日本企業に何をもたらしてきたのでしょうか?
厳然たる事実として、企業競争力、新市場の開拓、業務効率、生産性、所得水準といった面で、近年、アジアの企業は日本を追い抜いきつつあります。国というレベルで見ても、一人当たりGDPを比較すると日本の後退が目立ちます。わたし自身は、これらは、「スピード感に欠ける日本のマネジメントや管理手法が、複雑化しているビジネス環境で受け入れられないことの結果」だと考えています。
本ブログのポイントになりますが、日本企業の決定的な問題は、「スピード感のある対応を生み出す雰囲気」にないということ。突きつめていうと、ゴール(成果物)への執着が足りないということになります。
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