うわさ再考:「商談」

それでは、海外現地法人で実際に何が起こっているか、具体的な事例を紹介していきます。

◼️うわさ再考(商談)

例えば、【商談・会議の日程通知、事前の段取り】や【会議後のフォロー】だけでも、ギャップを感じたという日本人マネジメントの話をよく耳にします。「海外はざっくりし過ぎ」とよく言われますが、実は、そうとも限りません。「やれ日本はこうだ、やれ海外はどうだ」という二項対立の言い方から脱却しなければと感じています。

確かに、取引先が来社したり、こちらから訪問する際、特にアジア圏では、時間やメンバーが明確に確定されず、あいまいなことが多々あります。

但し、昨今では、日本と海外という区分で単純に比較することはできません。日本本社よりも海外法人のメンバーの方が、系統だったスマートな文面と添付ファイルで、打ち合わせ・商談の日程や議題(agenda、アジェンダ)通知を効率的に行う場面も多く見られます。これは見習わねばなりません。

◼️商談って、何のためだったっけ?

面談相手が気心の知れた取引先の場合、日本人マネジメントは、商談の導入部分で、ゴルフコンペで○○社の誰と会っただの、どのレストランが接待に便利などと、たわいも無い話題が20分も続くこともあり、これも日本人マネジメントがガラパゴス状態にあることを象徴的に示すエピソードです(わたしはその間に、この時間帯の人件費は果たしていくらなんだろうか、果たされなかった機会逸失はどれぐらいなんだろうと試算しています)。

商談は30分以内で。どんなにどんなに長くとも1時間を超えることはあり得ない。お茶会をやっているわけではないので、あいさつはそこそこにしましょう。「まずは、相手との関係性(リレーション)を確立してから、本題に入る。雑談のような話も、実は相手と本音ベースでの話を引き出すための必要悪だ」というのであれば、あなたは、それが3分で終わるよう、そのスキルを磨きましょう。

日本人マネジメントは、商談に出席するメンバーの指名や担当の割り振りも、「細かく言わなくても、出席者は幹部なので、分かるだろう」とノンキに構えていたり、「出席予定のあの幹部は日本語はある程度分かるので、あえて通訳業務の担当者の出席は不要だろう」とタカをくくって、大事なところで意思疎通ができていないことに後で気づいたりと、後手後手(ごてごて)が発生することが多々見受けられます。はっきり言えることは、日本人マネジメントは「業務のアサインメントが苦手」だということです。「言わなくても分かるだろう」、「(通訳など)必要になった業務は、その場で誰かできる者がすればいい」というのが日本人マネジメントに目立つ考え。商談の出席者など1分もかからず、決められるはず。簡単なことですが、まずはこの簡単なことから。

また、あなたがマネジメントである場合、日程を伝えられ、商談出席の打診(要請)をされることも多々あるはずです。商談の成果として何をねらっているのか、それを聞いてみれば、この担当者がどんな意識を持って仕事をしているのか、ふだんの仕事ぶりも察しがつきます。

あなたがマネジメントの立場にあれば、すべきことは、商談10分前に出席者を別部屋に呼び出して、作戦会議を開き、商談での役割のアサインメント(指示出し)を出すことです。ビジネスでは、以心伝心なんてことはあり得ません。

そして、商談後のフォローでは、ぐだぐだ話しこむのではなく、「本件はどれだけの優先順位なのか」、「何を目的として、いつ、誰が、何をするか」、「いつまでに何をどれだけ達成することを目標値とするか」を皆が明確に共有していることを5分で確認。まずは、あなたがメンバーの胸に刺さる質問を通じて示し、次回からはメンバーの誰かを指名して、「5分会議」を仕切らせてみてください(ファシリテーション)「商談後にわざわざメンバー間で認識のすり合わせ確認をする必要もない。言わずもがな、誰しもわかっているだろう」という無邪気な希望的観測はやめるべき。商談後のこの「5分会議」は、商談を生かすかどうかを左右します。だまされたと思って、試しにメンバーの誰かに、商談の内容とそれに対するフォローとして何をする考えを持っているか、箇条書きでは無く、マインド・マップを紙かホワイト・ボードにでも描かせてみて下さい。あなたのマインド・マップとはずいぶん違うはずです。どちらが優れているかは別として、時間軸や優先順位、ケアする視点などの違いに驚かされることでしょう。

締めくくりのひと言「アクション!(行動開始!)」を忘れずに。

 

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